こんにちは。ANGEL VIBES です。
フォント関連のWebサイトや書籍で、よく目にする用語ってありませんか?
そうした用語についてちょっと知っておくと、フォントを購入する時はもちろんのこと、フォントデザインの作業の時にも戸惑わないと思いますよ。
知ってると便利なフォント関連用語の中から、今日は、「バイト」という用語についてお話します。
「バイト」とは?
フォント関連のWebサイトや書籍で、「バイト」というワードはよく使用されていますよね。例えば、「1バイトフォント」「2バイトフォント」といった具合に。
「バイト」とは、元々コンピューター用語で情報量を示す単位の一つです。フォントの成り立ちによる情報量の違いで、「1バイトフォント」「2バイトフォント」と呼ばれていたりします。
「1バイトフォント」と「2バイトフォント」
欧文フォントと和文フォントでは、1フォント(=書体)が表すことができるグリフの総数に違いがあります。そのように、1フォントが持つことができる情報量の差異から区別して、一般的には、アルファベットを主体にした欧文フォントが「1バイトフォント」、漢字を含む和文フォントが「2バイトフォント」と呼ばれる場合があります。
コンピュータの情報は2進数を用いて表わされます。情報量1バイトで表すことが可能な2進法の組み合わせは256通りです。フォントの設計に置き換えると、1フォントが表すことができるグリフ数は、256個までということになります。「1バイトフォント」とは、このような、1バイトで256個までのグリフ数を表し得るフォントという意味になります。
欧文フォントは、アルファベット、約物、数字を合わせたグリフ数であっても、256個あれば充分に対応できます。それに対し和文フォントは、漢字、仮名文字を合わせただけでも、256個ではとうてい対応できません。なので、256個以上のグリフ数を表すためには、2バイトフォントとして作成せざるを得ないというわけですね。
かな文字の1バイトフォントは?
ひらがなやカタカナだけの和文フォントには、1バイトフォントがあります。漢字を含まない仮名文字フォントならば、たとえ約物や数字をあわせたとしても、1フォントが持つことが可能なグリフ数である256個に至らないので、1バイトフォントとして設計することが可能です。1バイト形式の仮名文字の和文フォントなら、皆さんもよく目にしているのではないでしょうか。
PCのキーボードのキー1つ1つには、ひらがなの表記もあります。これはかな入力の時に役立てられますが、1バイト仮名文字では、このテンキーのひらがなを頼りに設計されているフォントも多いと思います。1バイトの欧文フォントは半角英字で入力・表示しますが、1バイトの仮名文字フォントはこのしくみを利用して設計されている例もあります。
例えば、小文字の「a」はひらがなの「ち」になっているので、小文字の「a」のグリフにひらがなやカタカナの「ち(チ)」を割り当て、続いて小文字「s」には「と(ト)」、小文字「z」には「つ(ツ)」といった具合に割り当てていけば、キーボードに半角英字で入力すると、「a」は「ち(チ)」、「s」は「と(ト)」、「z」には「つ(ツ)」を表示することができるわけです。
Macのキーボード。仮名文字も記されていますね
このように欧文のグリフに仮名文字を割り当てれば、1バイトでも仮名文字全体をカバーしたフォントを作ることが可能です。
実際このような設計で、1バイトの仮名文字フォントが広く普及したようです。現在入手できるフリーフォントや、「フォントパビリオン」のような初期のフォント集にも見られる設計ですね。おかげで、現在はいろいろな仮名文字を楽しめるようになっていますが、先人の知恵の賜物でもありますね。
フォント集「フォントパビリオン」
まとめ
- 「バイト」とは、コンピューター用語で情報量を示す単位の一つ
- 「1バイトフォント」とは1バイトで256個までのグリフ数を表し得るフォント
- 通常、欧文フォントが「1バイトフォント」で、漢字を含む和文フォントが「2バイトフォント」
では、また!